明日は朝ここを出なければならないから、ここにいるのは実質今日一日だ。(昨日は、風邪のせいで外に出ることができなかったからだ) だが、天気はあまりよろしくない。いまでも雨が降りそうな雰囲気だ。何とか今日一日はもって欲しいと思う。
朝食後、ホテルのまわりを散策したのち、再び部屋に戻り、身支度をして公園に繰り出す。フロントで市内観光のツアーバスが出ていると紹介してもらったところに行く。札幌の大通り公園(実際は行ったことがないので、テレビや写真で見た限りだが)のような公園の一角にジューススタンドと見まがうブースがあり、そこでチケットを買った。15時出発の1時間半のツアーだ。
ツアーバスが最初に通ったヘルシンキ大聖堂も彼の作品である。この建物の前の広場は驚くほど広かった。エンゲルが設計したものは他にヘルシンキ大学校舎、閣議公邸、ヘルシンキ新旧市庁舎、ヘルシンキ大学図書館など数多い。しばし、車窓見学を続けたあと、トゥーロ地区で車が止まった。ここにはテンペリアウキオ教会がある。この教会は、外から見る限り出入り口と屋根しか見えないから、中に入るまで教会だあるとはわからない。テンペリアウキオ岩をくり抜いて造られたもので、ある。外側からは想像できないほど中は開放的である。天井の周辺はガラスで覆われ、陽の光りが差し込む。音の反響にも優れているようにも思われ、音楽会も時々開かれているようである。
ツアーを終えてホテルに戻り、フロントでフィンランド料理が食べられるレストランを聞く。平日だったので、予約は不要だと聞いたが、実際に行ってみると今日は予約しか受け付けないという。仕方なく退散し、近くの観光案内所へ。途中でもう一件見つけたところが予約なしで行けるのかと聞いたところ行ってみると、また予約したかと問われた。まだしていないが、今日予約できるかと問うたら、いつがいいかと聞かれたので、7時だと言った(そのとき6時55分)。すると、すぐに席を用意してくれた。どうやら、「今すぐ」でもレストランは予約するのがルールのようだ。
食事をしていたら、ものの30分ほどで満席になり、後から来た者は予約を除いて断られていた。気軽に入れるカフェがたくさんある中にあって、地元の人も頻繁にレストランで食事をするわけではないのだから、予約するのはひとつのマナーなのだろう。もちらん、予約しなくても空いているときは臨機応変に対応してくれることもわかったが。
食事を終えると既に夜8時を過ぎていたが、夏の北欧はとにかく陽が長い。あいにくの曇り空、ノルウェーのときよりは幾分暗い感じもしたが、まだまだ外を出歩ける感じがする。それでも、人通りだけは少なくなっていることが見て取れる。ウスペンスキー寺院から海沿いに向かい、また戻って、エストニアのタリンと結ぶフェリーの発着口となる港をぐるっと巡って、散策した。フェリーターミナルにカフェバーを見つけたので、休憩でもしようと思ったが、もう片付けに入っていた。
日本の都市と違って、夜遅くまでやっている店は非常に少ない。しかも、日本でいうコンビニがここにはないし、自販機のような便利なものが無い。それに代わるのは街角にあるキオスクくらいだが、夜8時は完全に閉まってしまう。ミネラルウォーターが欲しかったので買いに行こうとしたが、結局見つけられず、ヘルシンキ中央駅のキオスクでやっと見つけ、2本買った。予想外に高かったが、水なしで一夜を過ごすよりはましだと思い、ホテルに持ち帰った。陽が長い割りに営業時間が短いのは意外に感じたが、夏と冬で陽の長さが極端に異なる北欧の都市ならではの生活の知恵だろうか。ホテルへの帰路を急ぎ、たまった旅行写真の整理で残りの夜を過ごすことにした。