2007年7月24日火曜日

Day13─ほぼ終日不在でした(ヘルシンキ→ブダペスト)

朝8時。またやってしまった! ブダベスト行きのフライトは1時間半後に迫っている。昨日、ヘルシンキの国際空港から宿泊先まで2時間以上かかっている。昨日は1時間の時間ロスはあったとは言え、普通なら完全にアウトだ! 大阪の伊丹空港から東京の羽田に行くときさえ、出発の1時間前には空港に着いている。ましてや海外での国際線搭乗で、こんな状態になるなんて考えもしない。最悪でも出発直前に空港につけば、次の便に振り替えてもらうことができるだろう。もう定刻のフライトに間に合わせようなど考えられなかった。

とにかく一刻でも早く空港に着くことを考えなければならない。このときにあっても、タクシーなど選択肢に無かった。もし言葉が通じず間違ったところに着いたら万事休すだからだ。とにかく、昨日バスを降りたヘルシンキ中央駅に向かう。この非常事態、ホテルの朝食も今日は抜きだ。ほどなく空港行きのバスが到着、搭乗時間に間に合うかはわからないが、空港までは何とか着くことができそうだ。バスは定刻より5分ほど早く着き、発券カウンターへと急ぐ。搭乗にも間に合った。ほとんど奇跡である。そこからは2時間20分。イメージしていたよりも早くブダペストの空港に着いた。

明日にはもうこのブダペストの空港からアテネに向かう予定だ。最初はホテルで終日ゆっくりすることも考えたが、そのホテル自体が空港から結構な距離にあり、市内の開けたところにあると聞いたので、当初の予定を変更し、精力的に街に繰り出すことにした。

ブダペストの空港へのアクセスはこれまで訪れた都市部の空港とは違い、電車が走っていない。バス路線もあるが、言葉が分からず字も読めないからどこで降りれば目的地に近いか分からない。実際、ホテル周辺の地図を探したが、最寄りの停留所がどこにあるのかも分からなかった。今夜一泊しかしないから、少しでも時間を短縮しなければならないが、どの位の距離にありどれ位の費用が掛かるか分からなかったので、タクシーで行く訳にもいかない。

ところが思わぬ援軍が現れる。ジャンボタクシーだ。複数の人と同乗するため、費用もリーズナブル。バス路線が発達していないところを逆手に取ったビジネスのようだ。タクシー乗り場の前に、チケットを購入するブースがある。事前に現地の通貨フォリントに両替したおいたので、現金でホテルまでの往復分を購入する。あとは、同じ方向に向かう乗客が集まったら出発だ。

ジャンボタクシーは空港を出ると、航空機が展示してある空港の一角を通過し、市街地に向かう。空港付近の道路は近代的に整備されているが、少し離れると舗装具合はあまり良くない。しばらく殺風景な空き地が目立つ地域を走ると、古い建物が目立つ市街地に差し掛かった。

前日のヘルシンキとは違って、歴史のある建物が多くあるように感じられた。乗客は次々と途中のホテルで降りる。僕が降りたのは最後、近代的な商業ビルに囲まれた一角だった。ホテルの設備は東京の高級ホテル並み、それでいて宿泊費はほぼ半額だ。宿泊者が無料で使えるスパもあるので、ホテルの中にいるだけで一日過ごすこともできる。ここを一泊で出るのはもったいない気もしたが、この後の行程を考えるとやはり明日出発するしかない。部屋を確認し、大きな荷物を置いて早々と外に繰り出した。

今日は朝が早く、飛行機の中では軽く朝食を摂っただけだったので、近くで昼食をとることにした。時間優先だったこともあり、最初に見つけたマクドナルドにした。日本でいうビッグマックセットを頼む。店員に進められるようにマヨネーズ(なにに付けるのかがわからないが)も一緒に頼んだら、きっちり料金をとられていた。しめて1,030フォリント。日本円では約650円。値段はほとんど日本と変わらない。

腹ごしらえが終わったので、ホテルのレセプションに行って、現地観光のツアーを案内してもらう。いくつか渡されたパンフレットの中に、2時間のシティーツアーバスがあった。乗り場はホテルの前の公園のすぐ近くだ。午後4時過ぎに出発して同じ場所に戻ってくるツアーだ。

ブダペストは今では一つの街と解釈されているが、実は、ドナウ川西岸のブダと東岸のペストをあわせたものである(厳密にはドナウ川西岸にあるオーブダを含めて3つということもある)。その両方をこのツアーバスでは回ることができる。両岸には絵葉書になるような美しい建物がいくつもある。

ブダペストは、「ドナウ河岸とブダ城、アンドラーシ通り」が世界文化遺産として1987年に登録されている。2002年には世界遺産の登録基準となる歴史地区が拡張された。両岸には何本も橋がかけられており、その一つであるセーチェーニ鎖橋もともに世界遺産に登録されている。

バスはまずホテルのあるペスト側のアンドラーシ通りからスタート。2002年の歴史地区の拡張を契機に、パリのシャンゼリゼ通りを模して新たに建設された通りで、その推進に尽力したアンドラーシ首相の名前を採っている。その通り沿いにあるオペラハウスを経て、英雄広場に車は進んだ。それから、ペスト地区を大回りするように、ブダペスト東駅からドナウ川を目指し、橋を渡る。ここからは対岸のブダ地区だ。西岸を北上し、王宮トンネル前のロータリーを半周した。このトンネルはハンガリー国道の起点。日本でいえば、国道1号線の東京日本橋のようなところだ。そこから、シタデルと呼ばれる丘の上にある要塞のような建物まで南下して車は停車。ここが唯一の下車観光の場所。

空はどんよりと曇っていたが、晴れていたらどれだけ美しい景色だろうかと想像する。ドナウ川を挟んで、ブダ・ペスト両地区の市街地が一望できる。同乗していた乗客に頼んで写真を撮ってもらった。その後は再びドナウ西岸を北上し橋を渡りペスト地区に戻る。世界遺産の国会議事堂から出発点にもどって、昼のツアーは終わり。

ホテルに着いて折角なのでスパでゆっくりしていた。でも部屋に戻ったら、既に9時半。夜のブダペストも捨てがたかったから、水上バスのツアーに行きたかったが、最終便は夜10時。観光地図程度のものしか持っていなくて、乗船場がどこなのかも、所要時間がどれくらいなのかも見当もつかない。一か八か、ドナウ川を目指す。

運がいいとはこのことなのか、最終便の5分前到着。すぐに船に乗ったら、「チケットを買ってからだ」と言われた。乗船に間に合うことばかり考えていたので、入り口のチケット売り場を見過ごしていたようだ。シャンパン付きで4,700フォリント(約3,000円)は、昼間のバスツアーよりも高かったが、夜の美しいドナウを楽しむのは恰好のツアーだ。黄色くライトアップされる宮殿の景色は昼間のそれとは一変している。漆黒の川面に建物の光りが反射して、幻想的な雰囲気を醸し出していた。

この日はほぼ終日宿を空けていて不在でした。