とにかく一刻でも早く空港に着くことを考えなければならない。このときにあっても、タクシーなど選択肢に無かった。もし言葉が通じず間違ったところに着いたら万事休すだからだ。とにかく、昨日バスを降りたヘルシンキ中央駅に向かう。この非常事態、ホテルの朝食も今日は抜きだ。ほどなく空港行きのバスが到着、搭乗時間に間に合うかはわからないが、空港までは何とか着くことができそうだ。バスは定刻より5分ほど早く着き、発券カウンターへと急ぐ。搭乗にも間に合った。ほとんど奇跡である。そこからは2時間20分。イメージしていたよりも早くブダペストの空港に着いた。
ブダペストの空港へのアクセスはこれまで訪れた都市部の空港とは違い、電車が走っていない。バス路線もあるが、言葉が分からず字も読めないからどこで降りれば目的地に近いか分からない。実際、ホテル周辺の地図を探したが、最寄りの停留所がどこにあるのかも分からなかった。今夜一泊しかしないから、少しでも時間を短縮しなければならないが、どの位の距離にありどれ位の費用が掛かるか分からなかったので、タクシーで行く訳にもいかない。
ところが思わぬ援軍が現れる。ジャンボタクシーだ。複数の人と同乗するため、費用もリーズナブル。バス路線が発達していないところを逆手に取ったビジネスのようだ。タクシー乗り場の前に、チケットを購入するブースがある。事前に現地の通貨フォリントに両替したおいたので、現金でホテルまでの往復分を購入する。あとは、同じ方向に向かう乗客が集まったら出発だ。
ジャンボタクシーは空港を出ると、航空機が展示してある空港の一角を通過し、市街地に向かう。空港付近の道路は近代的に整備されているが、少し離れると舗装具合はあまり良くない。しばらく殺風景な空き地が目立つ地域を走ると、古い建物が目立つ市街地に差し掛かった。
今日は朝が早く、飛行機の中では軽く朝食を摂っただけだったので、近くで昼食をとることにした。時間優先だったこともあり、最初に見つけたマクドナルドにした。日本でいうビッグマックセットを頼む。店員に進められるようにマヨネーズ(なにに付けるのかがわからないが)も一緒に頼んだら、きっちり料金をとられていた。しめて1,030フォリント。日本円では約650円。値段はほとんど日本と変わらない。
腹ごしらえが終わったので、ホテルのレセプションに行って、現地観光のツアーを案内してもらう。いくつか渡されたパンフレットの中に、2時間のシティーツアーバスがあった。乗り場はホテルの前の公園のすぐ近くだ。午後4時過ぎに出発して同じ場所に戻ってくるツアーだ。
ブダペストは今では一つの街と解釈されているが、実は、ドナウ川西岸のブダと東岸のペストをあわせたものである(厳密にはドナウ川西岸にあるオーブダを含めて3つということもある)。その両方をこのツアーバスでは回ることができる。両岸には絵葉書になるような美しい建物がいくつもある。
ブダペストは、「ドナウ河岸とブダ城、アンドラーシ通り」が世界文化遺産として1987年に登録されている。2002年には世界遺産の登録基準となる歴史地区が拡張された。両岸には何本も橋がかけられており、その一つであるセーチェーニ鎖橋もともに世界遺産に登録されている。
空はどんよりと曇っていたが、晴れていたらどれだけ美しい景色だろうかと想像する。ドナウ川を挟んで、ブダ・ペスト両地区の市街地が一望できる。同乗していた乗客に頼んで写真を撮ってもらった。その後は再びドナウ西岸を北上し橋を渡りペスト地区に戻る。世界遺産の国会議事堂から出発点にもどって、昼のツアーは終わり。
ホテルに着いて折角なのでスパでゆっくりしていた。でも部屋に戻ったら、既に9時半。夜のブダペストも捨てがたかったから、水上バスのツアーに行きたかったが、最終便は夜10時。観光地図程度のものしか持っていなくて、乗船場がどこなのかも、所要時間がどれくらいなのかも見当もつかない。一か八か、ドナウ川を目指す。
この日はほぼ終日宿を空けていて不在でした。